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520/今年最後の外来

今年は3・4月の入院以降、在宅で高カロリー点滴をやりながらも、そのおかげで体調は安定している方です。
ちょっとだけ炎症や貧血などもみられますが、私としては問題ない範囲と言えます。

また、2か月前の外来から私に話があった治験薬の情報を少し紹介します。
この薬は、日本国内では使用例がまだない薬ですが、欧米向けで短腸症候群、つまりは私のように、腸からの栄養や水分吸収が極めて困難な状況に適用されます。

今回は、運良く通院している病院で治験対象となったこと、中でも私の現在の体調に使えそうだということで、主治医から話がありました。

病院内認可では1月から使用できますが、説明や同意、適用検査等で実際に使えるとなるのはまだ未定です。

そもそも、治験の段階について


厚生労働省の認可を目指しての臨床試験(治験)には4つの段階があり、基本的に以下のとおりです。

◇第1相(フェイズⅠ)は、少数の健康志願者を対象に、安全性のテストと、体内での薬剤の移動のデータ取りを行う。

◇第2相(フェイズⅡ)は、同意を得た少数の患者を対象に、有効で安全な投薬量、投薬期間、投薬方法などを決定する。

◇第3相(フェイズⅢ)は、同意を得た多数の患者を対象に、「二重しゃへい試験」などによるより厳密な形式でもって、既存薬などと比較しての有効性および安全性をチェックする。一般的にはこの段階が終了した時点で、国へ認可を求める申請がされる。

◇第4相(フェイズⅣ)は、全ての薬に対して必須ではないが、認可された薬について、市販後も何年間か副作用発現などの情報を調査し、まとめる。その結果は厚生労働省に報告される。



新薬の開発状況

小腸粘膜の構造維持に関わるグルカゴン様ペプチド2というホルモンの働きに注目した薬剤です。
短腸症候群に対して効果が期待されてます。
クローン病に対しても効果が期待されてます。

「短腸症候群」はクローン病やその他の疾患の治療として小腸を切除したことによって食物から栄養を吸収する能力が十分でなくなって栄養摂取を中心静脈栄養(IVH)などに頼る状態のことです。USAには1万人以上の患者がいるそうです。

グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)は人体に天然に存在するホルモンで、小腸粘膜の増殖の調節、小腸粘膜の構造と機能の維持といった働きをしているそうです。このホルモンを投与する事で残っている腸の機能が強化され栄養吸収不良が改善されるそうです。

USAとデンマークでおこなわれた第2相試験において、
患者16人にteduglutideを21日間皮下注射にて投与したところ、食物からの栄養、ミネラル、水分の吸収状況が著しく改善し、小腸組織の顕微鏡観察でも粘膜構造の改善が確認されたそうです。

研究者は、小腸が短かかったり小腸の吸収能力が十分でないために静脈栄養に頼らなくてはならない患者がteduglutideによって食事からの栄養摂取を増やし静脈栄養を減らすことが出来るのではないかと言っているようです。ただし、残念なことに、投与をやめると元に戻ってしまうようです。

今のところ確認されている有害事象(副作用)は、腹痛、頭痛、ストマ開口部のサイズの変化、下肢の浮腫などのようです。

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